◎急にめまいを感じたら、まずは一度、病院で検査をしてください◎

脳や、耳の神経に問題がある場合は、治療の開始が遅れてしまうと深刻な後遺症が残る場合があります。

 


◎末梢性のめまい(脳に問題がない場合)

末梢性めまいの発症には、内耳の前庭系の機能異常が関与していると言われている。

 

「めまいプロ」より 引用

(http://www.memai-pro.com/ear/index.htm)

 

 

内耳は平衡覚を司る「前庭系」と聴覚を司る「蝸牛」で構成される。

 

前庭系は、三半規管(外側半規管・後半規管・上半規管)と前庭(球形嚢・卵形嚢)で構成されている。


内リンパ水腫、血流障害、ウイルス感染、耳石の迷入などが、半規管、耳石器の両者もしくはいずれかに起ると、前庭系の異常興奮や機能低下が生じることになり、臨床的な末梢性めまいの発症と特徴的な眼振の出現に至る。

 

末梢性めまいの代表的な疾患として、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎があり、それぞれ内リンパ水腫、耳石の半規管への迷入、ウイルス感染がその病態と考えられている。


「めまいナビ」より 引用

(http://www.memai-navi.com/chishiki/kankei01.htm)

 

◎メニエール病

発作時のめまいは回転性で激しく、吐き気や嘔吐を伴います。また、同時に難聴や耳鳴りが起こる場合もあります。

めまいは、数時間から1日、またはそれ以上持続した後、治まります。難聴はめまいが起こると悪化し、めまいが治まると、正常に戻るか軽快します。

ただし、メニエール病が進行すると次第に悪化し、徐々に聴力の改善がみられなくなり、重度の難聴になることもあります。また、これらの症状は繰り返し起こり、その頻度は週1回から年数回とさまざまです。


 

◎良性発作性頭位めまい症

めまい患者さんの20~40%程度がこの病気で、耳の異常が原因で起こるめまいの中で最も多い病気といわれています。朝、寝床から起き上がるときなどに、頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりすると回転性めまいが起こります。めまいは次第に悪化し、すぐに軽快し消失します。持続時間は数秒から数十秒くらいです。

めまいを繰り返すと、徐々にめまいの症状は軽くなり、消失します。


 

◎前庭神経炎

突然、激しい回転性めまいが起こり、悪心、嘔吐を伴い、通常2~3日続きます。

難聴や耳鳴りはありません。

その後、少しずつめまいは改善していきますが、発症から1週間程は歩行が困難です。

3週間程でめまいはほぼ治まりますが、動くときはふらつきが生じやすく、6カ月経過後も半数近くの人でふらつきがみられます。


 

◎加齢性平衡障害

年齢を重ねるにつれ、目、耳、足の裏、小脳など平衡機能をつかさどるさまざまな器官が衰え、筋肉は低下し、骨はもろくなります。平衡機能と運動機能がともに低下することで、ふらつきやめまいが起こるようになります。

場合によっては四六時中ふらつくことがあるため、患者さんはベッドで過ごす時間が長くなります。その結果、耳、目、足の裏への刺激が乏しくなり、さらに平衡機能は衰えます。このような加齢からくる全身の機能低下が原因の病気「加齢性平衡障害」が高齢者に多く見られます。

眼球を動かす筋肉を鍛えたり、片足立ちや足踏みをすることで平衡感覚と運動機能を鍛えたりすることで改善がみられる場合があります。


◎東洋医学では◎

めまいの症状について東洋医学では

「眩暈(げんうん)」、「目眩(もくげん)」、「頭眩(ずげん)」などと言います。

 

 

「眩暈」:頭眩ともいう。眩は眼花(目がかすむさま)、暈は頭がまわる感じ。眩暈には真眩暈と通常の頭暈眼花がふくまれる。また、本証はいろいろ呼び方があり、頭暈して目がかすむものを巓眩といい、目がかすんで頭暈するものを目眩といい、頭がぼんやりして重く目がかすみ星が出るものを眩冒という。

六淫による外感、気血臓腑の内傷はみな本証をひきおこす。原因は風化、湿痰、正虚によるものが多い。もし頭暈して自分の身体や周囲の物がくるくるまわり落ち着いて立っていられず嘔悪をともなうものは真眩暈という。

外感性の眩暈には風眩、風熱眩暈、風寒眩暈、燥火眩暈、暑湿眩暈、中暑眩暈などがある。

内傷性の眩暈には気虚眩暈、陽虚眩暈、血虚眩暈、失血眩暈、腎虚眩暈、気鬱眩暈、痰火眩暈、停飲眩暈、風痰眩暈などがある。《素問至真要大論篇》「諸風掉眩、皆肝に属す。

 

「目眩」:眩暈、めまいのこと。《金匱痰飲咳嗽病》「心下に痰あり、胸脇支満し目眩するは、苓桂朮甘湯之を主。」《傷寒論少陽病》「少陽の病たるは口苦咽乾目眩する也。」

 

「頭眩」:頭がクラクラすること。《金匱中風歷節病》「諸肢節疼痛し身体おう羸、脚腫脱するが如く、頭眩短気し、温温として吐せんと欲するは、桂枝芍薬知母湯これを主る。」

 

(『漢方用語大辞典』(燎原)より)

 


漢方薬では

症状や原因に応じて、沢瀉湯、苓桂朮甘湯、真武湯、五苓散、釣藤散、半夏厚朴湯などが使われます。

 


楽効堂の鍼灸治療では

 

めまいが出たきっかけや、めまいが出るタイミング、めまいの性状、持続時間、めまいがひどくなる原因、良くなる原因、などをお聞かせいただき、さらに脈や舌、お腹の状態や、顔色、めまい以外にお体に現れている症状などを診させていただき、今お悩みの「あなたのめまい」について状態を把握し、使用する経絡、ツボ、刺激量(鍼か灸か、鍼や灸の方法)を決定します。

末梢性めまいの主な原因とされている部位である「内耳」を通っている経絡は、手の太陽小腸経、手の少陽三焦経、足の少陽胆経です。よって、その経絡の反応は絶対に見逃せないポイントとなります。

「上衝(じょうしょう)」と言って、上に衝き上げる症状の一つとしてめまいが出現している場合は、上(内耳付近)の実(滞り、つまり、熱など)を取り去るだけではなく、下(お腹)の虚(機能低下)を補うことも重要です。

余分な水分(水毒)が浮腫みを起こしている場合は、水分代謝を促進するように、胃腸の活性化または泌尿器系の活性化をメインに考えることもあります。

 

「めまい」と言っても原因は様々です。今お悩みの「あなたのめまい」の原因を探し、良い方に向って行けるよう、鍼灸でお手伝いできたら幸いです。

 

(『経絡流注講義』(医道の日本社)より)